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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

 一念三千の法門をふりすすぎたてたるは大曼荼羅なり。当世の習いそこないの学者、ゆめにもしらざる法門なり。天台・妙楽・伝教、内にはかがみさせ給えども、ひろめ給わず。「一色一香」とののしり、「耳を惑わし心を驚かす」とささやき給いて、妙法蓮華と云うべきを円頓止観とかえさせ給いき。
 されば、草木成仏は死人の成仏なり。これらの法門は知る人すくなきなり。詮ずるところ、妙法蓮華をしらざる故に迷うところの法門なり。あえて忘失することなかれ。恐々謹言。
  二月二十日    日蓮 花押
 最蓮房御返事

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最蓮房御返事

 文永9年(ʼ72)4月13日 51歳 最蓮房

 御札の旨、委細に承り候い畢わんぬ。都よりの種々の物、たしかに給び候い畢わんぬ。鎌倉に候いし時こそ、常にかかる物は見候いつれ。この島に流罪せられし後は、いまだ見ず候。これ体の物は、辺土の小島にてはよによにめでたきことに思い候。
 御状に云わく「去ぬる二月の始めより御弟子となり、帰伏仕り候上は、今より以後は、人数なら