SOKAnetトップ

『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

しむ」と云いしがごとくなり。劫初より以来、父母・主君等の御勘気を蒙り、遠国の島に流罪せらるるの人、我らがごとく悦び身に余りたる者よもあらじ。
 されば、我らが居住して一乗を修行せんの処は、いずれの処にても候え、常寂光の都なるべし。我らが弟子檀那とならん人は、一歩を行かずして天竺の霊山を見、本有の寂光土へ昼夜に往復し給うこと、うれしとも申すばかり無し、申すばかり無し。
 余りにうれしく候えば、契約一つ申し候わん。貴辺の御勘気疾く疾く許りさせ給いて都へ御上り候わば、日蓮も、鎌倉殿はゆるさじとのたまい候とも、諸天等に申して鎌倉に帰り、京都へ音信申すべく候。また日蓮先立ってゆり候いて鎌倉へ帰り候わば、貴辺をも、天に申して古京へ帰し奉るべく候。恐々謹言。
  四月十三日    日蓮 花押
 最蓮房御返事
  夕さりは、相構えて相構えて御入り候え。得受職人功徳法門、委細に申し候わん。