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給わずして、暗に南無妙法蓮華経と唱えさせ給い候え。礼拝をも、経にむかわせ給わずして拝せさせ給うべし。また不慮に臨終なんどの近づき候わんには、魚鳥なんどを服せさせ給いても候え、よみぬべくば経をもよみ、および南無妙法蓮華経とも唱えさせ給い候べし。また月水なんどは申すに及び候わず。
また南無一乗妙典と唱えさせ給うこと、これ同じことには侍れども、天親菩薩・天台大師等の唱えさせ給い候いしがごとく、ただ南無妙法蓮華経と唱えさせ給うべきか。これ子細ありて、かくのごとくは申し候なり。あなかしこ、あなかしこ。
文永元年甲子四月十七日 日蓮 花押
大学三郎殿御内御報
(235)
大学三郎殿御書
建治元年(ʼ75)7月2日 54歳 大学三郎
外道には、天・人・畜の三善道を明かし、鬼道の有無これを論じて、地獄道はその沙汰無し。小乗経には、六道の因果を明かして四聖もって分明ならず。俱舎・成実・律の三宗、小乗経に依憑してた
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(234)月水御書 | 文永元年(’64)4月17日 | 43歳 | 大学三郎の妻 |
(235)大学三郎殿御書 | 建治元年(’75)7月2日 | 54歳 | 大学三郎 |