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よいよたのもし。ただ、おおけなく国土までとこそおもいて候えども、我と用いられぬ世なれば、力及ばず。しげきゆえにとどめ候。恐々謹言。
文永八年辛未十月五日 日蓮 花押
大田左衛門尉殿
蘇谷入道殿
金原法橋御房
御返事
(151)
太田入道殿御返事
建治元年(ʼ75)11月3日 54歳 大田乗明
貴札、これを開いて拝見す。御痛みのこと、一たびは歎き、二たびは悦びぬ。
維摩詰経に云わく「その時、長者・維摩詰、自ら念えらく『寝ねて牀に疾む』。その時、仏、文殊師利に告げたまわく『汝、維摩詰に行詣して疾を問え』と」云々。大涅槃経に云わく「その時、如来乃至身に疾有るを現じ、右脇にして臥したもう。彼の病人のごとくす」云々。法華経に云わく「少病
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(150)転重軽受法門 | 文永8年(’71)10月5日 | 50歳 | 大田乗明・曽谷教信・金原法橋 |
(151)太田入道殿御返事 | 建治元年(’75)11月3日 | 54歳 | 大田乗明 |