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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

沙汰を改むるに及ばず」云々。

 念仏停廃のこと、宣旨・御教書の趣、南都北嶺の状、ほぼかくのごとし。日蓮尩弱たりといえども、勅宣ならびに御下知の旨を守って、ひとえに南北明哲の賢懐を述ぶ。なおこの義を棄置せらるるにあらずんば、綸言・徳政を故らるべきか、はた御下知を仰せらるべきか。称名念仏の行者、また賞翫せらるといえども、既に違勅の者なり。関東の御勘気いまだ御免許をも蒙らず。何ぞほしいままに関東の近住を企てんや。なかんずく武蔵前司殿の御下知に至っては「三代の将軍ならびに二位家の御沙汰に準じて、御沙汰を改むることあるべからず」云々。
 しかるに、今、念仏者は、何の威勢に依ってか、宣旨に背くのみにあらず、御下知を軽蔑して重ねて称名念仏の専修を結構せん。人によって事異なりと云う、この謂れ在るか。何ぞほしいままに華夷縦横の経回を致さんや。

 勘文篇
 念仏者追放の宣旨・御教書のこと。