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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

方今、かつは釈尊の遺法を護らんがため、かつは衆生の塗炭を救わんがために、よろしく諸国の末寺・荘園・神人・寄人等に仰せて、重ねて彼の邪法を禁断すべし。たとい片時なりといえども、彼の凶類を寄宿せしむべからず。たとい一言なりといえども、その邪説を聴受すべからず。もしまた山門所部の内に専修興行の輩有らば、永く重科に処して寛宥有ることなかれ。ていれば、三千衆徒の僉議に依って、仰すところ、件のごとし。
  延応二年

 〔山門申状〕
 近来、二つの妖怪有って人の耳目を驚かす。いわゆる、達磨の邪法と念仏の哀音となり○顕密の法門に属せず、王臣の祈請を致さず。誠に端拱にして世を蔑り、暗証にして人を軽んず。小生の浅識を崇めて見性成仏の仁となし、耆年の宿老を笑って螻蟻蚊虻の類いに擬す。論談を致さざれば才の長短を表さず、決択に交わらざれば智の賢愚を測らず。ただ牆壁に向かって独り道を得たりと謂い、三衣わずかに紆い、七慢専ら盛んなり。長く舒巻を抛つ附仏法の外道、吾が朝に既に出現す。妖怪の至り、慎まずんばあるべからず。何ぞ、あながちに亡国流浪の僧を撰んで、伽藍伝持の主となさんや。
 御式目に云わく「右大将家より以後、代々の将軍ならびに二位殿の御時においてのこと、一向に御沙汰を改むることなきか」。追加の状に云わく「嘉禄元年より仁治に至るまでの御成敗のこと。正嘉二年十二月十日評定。右、今より以後においては、三代の将軍ならびに二位家の御成敗に準じて、御