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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

ごとく修行せば、ここにおいて命終して、即ち安楽世界の阿弥陀仏の大菩薩衆に囲遶せらるる住処に往って、蓮華の中の宝座の上に生ず」等云々。
 問うて曰わく、この経、この品に殊に女人の往生を説く。何の故か有るや。
 答えて曰わく、仏意測りがたし。この義、決し難きか。ただし、一つの料簡を加えば、女人は衆罪の根本、破国の源なり。故に、内外典に多くこれを禁む。その中に、外典をもってこれを論ぜば、三従あり。三従と申すは、三つしたがうというなり。一には幼にしては父母に従う。嫁しては夫に従う。老いては子に従う。この三障有って世間に自在ならず。内典をもってこれを論ぜば、五障有り。五障とは、一には六道輪回の間、男子のごとく大梵天王と作らず。二には帝釈と作らず。三には魔王と作らず。四には転輪聖王と作らず。五には常に六道に留まって三界を出でて仏に成らず〈超日明三昧経の文なり〉。銀色女経に云わく「三世の諸仏の眼は大地に堕落すとも、法界の諸の女人は永く成仏の期無し」等云々。
 ただし、凡夫すら賢王・聖人は妄語せず。はんよきといいし者は、けいかに頸をあたえ、きさつと申せし人は、徐君が塚に剣をかけたりき。これ、約束を違えず、妄語無き故なり。いかにいわんや、声聞・菩薩・仏をや。仏は昔凡夫にましましし時、小乗経を習い給いし時、五戒を受け始め給いき。五戒の中の第四の不妄語の戒を固く持ち給いき。財を奪われ命をほろぼされし時も、この戒をやぶらず。大乗経を習い給いし時、また十重禁戒を持ち、その十重禁戒の中の第四の不妄語戒を持ち給いき。この戒を堅く持って、無量劫これを破りたまわず。終にこの戒の力によって仏身を成じ、三十二相の