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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(014)

本尊問答抄

 弘安元年(ʼ78)9月 57歳 浄顕房

 問うて云わく、末代悪世の凡夫は何物をもって本尊と定むべきや。
 答えて云わく、法華経の題目をもって本尊とすべし。
 問うて云わく、いずれの経文、いずれの人師の釈にか出でたるや。
 答う。法華経の第四の法師品に云わく「薬王よ。いたるところにて、もしは説き、もしは読み、もしは誦し、もしは書き、もしは経巻の住するところの処には、皆応に七宝の塔を起て、極めて高広厳飾ならしむべし。また舎利を安んずることを須いず。所以はいかん。この中には、すでに如来の全身有せばなり」等云々。涅槃経の第四の如来性品に云わく「また次に、迦葉よ、諸仏の師とするところは、いわゆる法なり。この故に、如来は恭敬・供養す。法常なるをもっての故に、諸仏もまた常なり」云々。
 天台大師、法華三昧に云わく「道場の中において、好き高座を敷き、法華経一部を安置せよ。またいまだ必ずしも形像・舎利ならびに余の経典を安んずることを須いず。ただ法華経一部のみを置け」等云々。