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久成本門為事円の本迹
上行所伝の妙法は、名字本有の妙法蓮華経なれば、事理俱勝の本なり。日蓮ならびに弟子檀那等は迹なり。
色法即身成仏の本迹
親の義なり、父の義なり。涌出品より已後、我らは色法の成仏なり。余行に渡らざる妙法は本、我らは迹なり。
色法妙法蓮華経の本迹
男子と成って名字の大法を聞き、己々・物々・事々に本迹を顕すものなり。また今日の二十八品、品々の内の勝劣は、通号は本なり勝なり、別号は迹なり劣なり云々。
妙楽、疏記の九に云わく「故に知んぬ、迹の実は本においてなお虚なることを」。籤の十に云わく「今日は初成をもって元始となし〈爾前〉、迹門は大通をもって元始となし〈迹門〉、本門は本因をもって元始となす〈本門〉」。
この釈は、元始の本迹・遠近の勝劣を判ずるなり。本果妙は「しかるに、我は実に成仏してより已来」、なお迹門なり。「迹の本は本にあらず」なり。本因妙は「我は本菩薩の道を行ず」、真実の本門なり。「本の迹は迹にあらず」云々。我が内証の寿量品は迹化も知らず云々。重位秘蔵の義なり。本迹と分別する上は勝劣は治定なれども、末代には知り難きが故に云々。
久遠従果向因の本迹
本果妙は釈迦仏、本因妙は上行菩薩なり。久遠の妙法は果、今日の寿量品は花なるが故に、従果向因の本迹と云うなり。
本因の妙法蓮華経の本迹
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(457)百六箇抄 |