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一、王城のこと。
右、王城においては、殊に勝地を撰ぶべきなり。なかんずく、仏法と王法とは本源体一なり。居処随って相離るべからざるか。よって南都の七大寺・北京の比叡山、先蹤これに同じく後代も改まらず。しかれば、駿河国富士山は広博の地なり。一には、扶桑国なり、四神相応の勝地なり。もっとも本門寺と王城と一所なるべき由、かつは往古の佳例なり、かつは日興、大聖の本願を祈る所なり。
一、日興集むるところの証文のこと。
御書の中に引用せらるる、もしは経論書釈の文、もしは内外の典籍伝文等、あるいは大綱、随義転用し、あるいはほぼ意を取って述用したまえり。これによって、日興、散引の諸文・伝籍等を集めて、次第に証拠を勘校す。その功いまだ終わらず。しばらく集むるところなり。
一、内外論の要文上下二巻。開目抄の意に依ってこれを撰ぶ。
一、本迹弘経要文上中下三巻。撰時抄の意に依ってこれを撰ぶ。
一、漢土の天台・妙楽、邪法を対治して正法を弘通する証文一巻。
一、日本の伝教大師、南都の邪宗を破失して法華の正法を弘通する証文一巻。
已上七巻、これを集めていまだ再治せず。
一、奏聞状のこと。
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(454)富士一跡門徒存知の事 |