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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

れ是非を弁ぜしめんがため、裏書きに、似ずとこれを付け置く。

一、聖人御書のこと〈付けたり十一箇条〉。
 彼の五人一同の義に云わく、聖人御作の御書釈はこれ無きものなり。たとい、少々これ有りといえども、あるいは在家人のために仮名字をもって仏法の因縁をほぼこれを示し、もしは俗男・俗女の一毫の供養を捧ぐる消息の返札に、施主分を書いて愚癡の者を引摂したまえり。しかるに、日興は聖人の御書と号してこれを談じ、これを読む。これ先師の恥辱を顕す。故に、諸方に散在するところの御筆を、あるいはすきかえしに成し、あるいは火に焼き畢わんぬ。
 かくのごとく先師の跡を破滅する故に、つぶさにこれを注して後代の亀鏡となすなり。
 一、立正安国論一巻。
  これに両本有り。一本は、文応元年の御作、これ最明寺殿および法光寺殿へ奏上の本なり。一本は、弘安年中身延山において先本に文言を添えたもう。しかして別の旨趣無し。ただ建治の広本と云う。
 一、開目抄一巻。今、開して上下となす。
  佐土国の御作、四条金吾頼基に賜う。日興所持の本は第二転なり。いまだ正本をもってこれを校えず。
 一、報恩抄一巻。今、開して上下となす。
  身延山において、本師・道善房聖霊のために作り、清澄寺に送る。日向が許に在りと聞く。日興