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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(411)

妙一女御返事(即身成仏法門)

 弘安3年(ʼ80)7月14日 59歳 妙一女

 問うて云わく、日本国に六宗・七宗・八宗有り。いずれの宗に即身成仏を立つるや。
 答えて云わく、伝教大師の意はただ法華経に限り、弘法大師の意はただ真言に限れり。
 問うて云わく、その証拠、いかん。
 答えて云わく、伝教大師、秀句に云わく「当に知るべし、他宗の依るところの経には、すべて即身入無し。一分即入すといえども、八地已上に推って凡夫身を許さず。天台法華宗のみ、つぶさに即入の義有り」云々。また云わく「能化・所化ともに歴劫無し。妙法経力もて即身成仏す」等云々。また云わく「当に知るべし、この文は、成仏するところの人を問うて、この経の威勢を顕すなり」等云々。この釈の心は、即身成仏はただ法華経に限るなり。
 問うて云わく、弘法大師の証拠、いかん。
 答えて云わく、弘法大師、二教論に云わく「菩提心論に云わく『唯真言の法の中にのみ即身成仏す。故に、これ三摩地の法を説く。諸教の中において闕いて書かず』。諭して曰わく、この論は、竜樹大聖の造るところの千部の論の中に秘蔵・肝心の論なり。この中に『諸教』と謂うは、他受用身および