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殿の御まつりごといみじくて、しばらく安穏なるか。それも始終は法華経の敵と成りなば叶うまじきにや。
この人々の御僻案には、「念仏者等は法華経にちいんなり。日蓮は念仏の敵なり。我らはいずれをも信じたり」と云々。日蓮つめて云わく、「代に大禍なくば、古にすぎたる疫病・飢饉・大兵乱はいかに。召しも決せずして法華経の行者を二度まで大科に行いしはいかに、不便、不便」。
しかるに、女人の御身として法華経の御命をつがせ給うは、釈迦・多宝・十方の諸仏の御父母の御命をつがせ給うなり。この功徳をもてる人、一閻浮提の内に有るべしや。恐々謹言。
六月二十五日 日蓮 花押
日女御前
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(406)日女御前御返事(嘱累品等大意の事) | 弘安元年(’78)6月25日 | 57歳 | 日女 |