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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(406)

日女御前御返事(嘱累品等大意の事)

 弘安元年(ʼ78)6月25日 57歳 日女

 御布施七貫文、送り給び畢わんぬ。
 嘱累品の御心は、仏虚空に立ち給いて、四百万億那由他の世界に、むさしののすすきのごとく、富士山の木のごとく、ぞくぞくとひざをつめよせて、頭を地につけ、身をまげ、掌をあわせ、あせを流し、つゆしげくおわせし上行菩薩等・文殊等・大梵天王・帝釈・日月・四天王・竜王・十羅刹女等に法華経をゆずらんがために、三度まで頂をなでさせ給う。譬えば、悲母の一子が頂のかみをなずるがごとし。その時に、上行乃至日月等、忝き仰せを蒙って、法華経を末代に弘通せんとちかい給いしなり。
 薬王品と申すは、昔、喜見菩薩と申せし菩薩、日月浄明徳仏に法華経を習わせ給いて、その師の恩と申し、法華経のとうとさと申し、かんにたえかねて万の重宝を尽くさせ給いしかども、なお心ゆかずして、身に油をぬりて千二百歳の間、当時の油にとうしみを入れてたくがごとく、身をたいて仏を供養し、後に七万二千歳が間ひじをともしびとしてたきつくし、法華経を御供養候いき。
 されば、今、法華経を後の五百歳の女人供養せば、その功徳を一分ものこさずゆずるべし。譬えば、