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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(405)

日女御前御返事(御本尊相貌抄)

 建治3年(ʼ77)8月23日 56歳 日女

 御本尊供養の御ために鵝目五貫・白米一駄・菓子その数送り給び候い畢わんぬ。
 そもそも、この御本尊は、在世五十年の中には八年、八年の間にも涌出品より嘱累品まで八品に顕れ給うなり。
 さて滅後には、正法・像法・末法の中には、正像二千年にはいまだ本門の本尊と申す名だにもなし。いかにいわんや、顕れ給わんをや。また顕すべき人なし。天台・妙楽・伝教等は、内には鑑み給えども、故こそあるらめ、言には出だし給わず。彼の顔淵が、聞きしこと意にはさとるといえども、言に顕していわざるがごとし。しかるに、仏の滅後二千年過ぎて末法の始めの五百年に出現せさせ給うべき由、経文赫々たり、明々たり。天台・妙楽等の解釈分明なり。
 ここに日蓮、いかなる不思議にてや候らん、竜樹・天親等、天台・妙楽等だにも顕し給わざる大曼荼羅を、末法二百余年の比、はじめて法華弘通のはたじるしとして顕し奉るなり。これ全く日蓮が自作にあらず。多宝塔中の大牟尼世尊、分身の諸仏、すりかたぎたる本尊なり。
 されば、首題の五字は中央にかかり、四大天王は宝塔の四方に坐し、釈迦・多宝・本化の四菩薩肩