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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

を並べ、普賢・文殊等、舎利弗・目連等坐を屈し、日天・月天・第六天の魔王・竜王・阿修羅、その外、不動・愛染は南北の二方に陣を取り、悪逆の達多・愚癡の竜女一座をはり、三千世界の人の寿命を奪う悪鬼たる鬼子母神・十羅刹女等、しかのみならず、日本国の守護神たる天照太神・八幡大菩薩、天神七代・地神五代の神々、総じて大小の神祇等、体の神つらなる。その余の用の神、あにもるべきや。
 宝塔品に云わく「諸の大衆を接して、皆虚空に在きたもう」云々。これらの仏菩薩・大聖等、総じて序品列坐の二界八番の雑衆等、一人ももれずこの御本尊の中に住し給い、妙法五字の光明にてらされて本有の尊形となる。これを本尊とは申すなり。
 経に云わく「諸法実相」、これなり。妙楽云わく「実相は必ず諸法、諸法は必ず十如乃至十界は必ず身土」云々。また云わく「実相の深理、本有の妙法蓮華経」等云々。伝教大師云わく「一念三千即自受用身。自受用身とは、尊形を出でたる仏なり」文。この故に、未曽有の大曼荼羅とは名付け奉るなり。仏の滅後二千二百二十余年には、この御本尊いまだ出現し給わずということなり。
 かかる御本尊を供養し奉り給う女人、現在には幸いをまねき、後生には、この御本尊、左右前後に立ちそいて、闇に灯のごとく、険難の処に強力を得たるがごとく、かしこへまわりここへより、日女御前をかこみまぼり給うべきなり。
 相構えて相構えて、とわりを我が家へよせたくもなきように、謗法の者をせかせ給うべし。「悪知識を捨てて、善友に親近す」とは、これなり。