2054ページ
爾前の経の心々は、心より万法を生ず。譬えば、心は大地のごとし、草木は万法のごとしと申す。法華経はしからず。心すなわち大地、大地則ち草木なり。
爾前の経々の心は、心のすむは月のごとし、心のきよきは花のごとし。法華経はしからず。月こそ心よ、花こそ心よと申す法門なり。
これをもってしろしめせ、白米は白米にはあらず、すなわち命なり。
(398)
異体同心事
白小袖一つ・あつわたの小袖、はわき房のびんぎに鵝目一貫、ならびにうけたまわる。
はわき房・さど房等のこと、あつわらの者どもの御心ざし、異体同心なれば万事を成じ、同体異心なれば諸事叶うことなしと申すことは、外典三千余巻に定まって候。殷の紂王は、七十万騎なれども、同体異心なればいくさにまけぬ。周の武王は、八百人なれども、異体同心なればかちぬ。一人の心なれども、二つの心あれば、その心たがいて成ずることなし。百人千人なれども、一つ心なれば、必ず事を成ず。日本国の人々は、多人なれども、体同異心なれば、諸事成ぜんことかたし。日蓮が一
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
---|---|---|---|
(397)白米一俵御書 | 弘安期 | ||
(398)異体同心事 |