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べし。事々そうそうにて候えば、くわしくは申さず。またまた申すべく候。恐々謹言。
七月十三日 日蓮 花押
治部殿うばごぜん御返事
麞牙一俵・やいごめ・うり・なすび等、仏前にささげて申し上げ候い了わんぬ。
(388)
治部房御返事
弘安4年(ʼ81)8月22日 60歳 治部房
白米一斗・茗荷の子・はじかみ一つと、送り給び候い畢わんぬ。
仏には、春の花、秋の紅葉、夏の清水、冬の雪を進らせて候人々、皆仏に成らせ給う。いわんや、上一人は寿命を持たせ給い、下万民は珠よりも重くし候稲米を法華経にまいらせ給う人、いかでか仏に成らざるべき。
その上、世間に人の大事とすることは、主君と父母との仰せなり。父母の仰せを背けば不孝の罪に堕ちて天に捨てられ、国主の仰せを用いざれば違勅の者と成って命をめさる。されば、我らは過去遠々劫より菩提をねがいしに、あるいは国をすて、あるいは妻子をすて、あるいは身をすてなんどし
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(387)盂蘭盆御書 | 弘安元年(’78)または同2年(’79)の7月13日 | 57歳または58歳 | 治部房の祖母 |
(388)治部房御返事 | 弘安4年(’81)8月22日 | 60歳 | 治部房 |