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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

ぎたり。父母を殺す人は、その肉身をばやぶれども、父母を後生に無間地獄には入れず。
 今、日本国の女人は必ず法華経にて仏になるべきを、たぼらかして一向に南無阿弥陀仏になしぬ。悪ならざれば、すかされぬ。仏になる種ならざれば、仏にはならず。弥陀念仏の小善をもって法華経の大善を失う。小善の念仏は大悪の五逆罪にすぎたり。譬えば、承平の将門は関東八箇国をうたえ、天喜の貞任は奥州うちとどめし、民を王へ通ぜざりしかば、朝敵となりてついにほろぼされぬ。これらは五逆にすぎたる謀反なり。
 今、日本国の仏法もまたかくのごとし。色かわれる謀反なり。法華経は大王、大日経・観無量寿経、真言宗・浄土宗・禅宗・律僧等は、彼々の小経によって法華経の大怨敵となりぬ。
 しかるを、日本の一切の女人等、我が心のおろかなるをば知らずして、我をたすくる日蓮をかたきとおもい、大怨敵たる念仏者・禅・律・真言師等を善知識とあやまてり。たすけんとする日蓮、かえりて大怨敵とおもわるるゆえに、女人こぞりて国主に讒言して伊豆国へながせし上、また佐渡国へながされぬ。
 ここに日蓮、願じて云わく「日蓮は全く誤りなし。たとい僻事なりとも、日本国の一切の女人を扶けんと願ぜる志はすてがたかるべし。いかにいわんや、法華経のままに申す。しかるを、一切の女人等、信ぜずはさてこそあるべきに、かえりて日蓮をうたする。日蓮が僻事か。釈迦・多宝・十方の諸仏・菩薩・二乗・梵釈・四天等、いかに計らい給うぞ。日蓮僻事ならば、その義を示し給え。ことには日月天は眼前の境界なり。また仏前にしてきかせ給える上、法華経の行者をあだまんものをば『頭