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能く能く諸天にいのり申すべし。信心にあかなくして、所願を成就し給え。女房にもよくよくかたらせ給え。恐々謹言。
二月二十一日 日蓮 花押
弥源太殿御返事
(247)
弥源太入道殿御返事
文永11年(ʼ74)9月17日 53歳 北条弥源太
別のこと候まじ。憑み奉り候上は、最後はこうと思しめし候え。河野辺入道殿のこいしく候に、漸く後れ進らせて、そのかたみと見まいらせ候わん。さるにても候えば、いかが空しかるべきや。さこそ覚え候え。
ただし、当世は「我も法華経をしりたり」と人ごとに申し候。時に法華経の行者はあまた候。ただし、法華経と申す経は、転子病と申す病のように候。転子と申すは、親のようなる子は少なく候えども、この病は必ず伝わり候なり。例せば、犬の子は母の吠えを伝え、猫の子は母の用を伝えて鼠を取る。
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(246)弥源太殿御返事 | 文永11年(’74)2月21日 | 53歳 | 北条弥源太 |
(247)弥源太入道殿御返事 | 文永11年(’74)9月17日 | 53歳 | 北条弥源太 |