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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

 これはこまごまとかき候ことは、かくとしどし月々日々に申して候えども、なごえの尼・しょう房・のと房・三位房なんどのように候、おくびょう、物おぼえず、よくふかく、うたがい多き者どもは、ぬれるうるしに水をかけそらをきりたるように候ぞ。
 三位房がことは大不思議の事ども候いしかども、とのばらのおもいには「智慧ある者をそねませ給うか」とぐちの人おもいなんとおもいて、物も申さで候いしが、はらぐろとなりて大難にもあたりて候ぞ。なかなか、さんざんとだにも申せしかば、たすかるへんもや候いなん。あまりにふしぎさに申さざりしなり。また、かく申せば、おこ人どもは「死もうのことを仰せ候」と申すべし。鏡のために申す。またこのことは、彼らの人々も内々はおじおそれ候らんとおぼえ候ぞ。
 人のさわげばとて、ひょうじなんどこの一門にせられば、これへかきつけてたび候え。恐々謹言。
  十月一日    日蓮 花押
 人々御中
  さぶろうざえもん殿のもとにとどめらるべし。