SOKAnetトップ

『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(220)

四条金吾殿御返事(法華経兵法の事)

 弘安2年(ʼ79)10月23日 58歳 四条金吾

 先度、強敵ととりあいについて御文給いき。委しく見まいらせ候。さてもさても、敵人にねらわれさせ給いしか。前々の用心といい、またけなげといい、また法華経の信心つよき故に、難なく存命せさせ給い、めでたし、めでたし。
 夫れ、運きわまりぬれば兵法もいらず、果報つきぬれば所従もしたがわず。詮ずるところ、運ものこり、果報もひかゆる故なり。ことに法華経の行者をば諸天善神守護すべきよし、嘱累品にして誓状をたて給い、一切の守護神・諸天の中にも我らが眼に見えて守護し給うは日月天なり。いかでか信をとらざるべき。ことにことに、日天の前に摩利支天まします。日天、法華経の行者を守護し給わんに、所従の摩利支天尊すて給うべしや。序品の時、「名月天子・普香天子・宝光天子・四大天王、その眷属の万の天子と俱なり」と列座し給う。まりし天は万の天子の内なるべし。もし内になくば、地獄にこそおわしまさんずれ。
 今度の大事は、この天のまぼりにあらずや。彼の天は剣形を貴辺にあたえ、ここへ下りぬ。この日蓮は首題の五字を汝にさずく。法華経受持のものを守護せんこと、疑いあるべからず。まりし天も法