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むつばせ給うべし。また夜の用心のためと申し、かたがた殿の守りとなるべし。吾が方の人々をば少々の事をばみずきかずあるべし。
さてまた、法門なんどを聞かばやと仰せ候わんに、悦んで見え給うべからず。「いかんが候わんずらん、御弟子どもに申してこそ見候わめ」と、やわやわとあるべし。いかにもうれしさにいろに顕れなんと覚え、聞かんと思う心だにも付かせ給うならば、火をつけてもすがごとく、天より雨の下るがごとく、万事をすてられんずるなり。
また今度いかなる便りも出来せば、したため候いし陳状を上げらるべし。大事の文なれば、ひとさわぎはかならずあるべし。あなかしこ、あなかしこ。
日蓮 花押
四条金吾殿
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(209)四条金吾殿御返事(世雄御書) | 建治3年(’77)7月または8月 | 56歳 | 四条金吾 |