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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(206)

四条金吾殿御返事(八風抄)

 建治2年(ʼ76)または同3年(ʼ77) 55歳または56歳 四条金吾

 はるかに申しうけたまわり候わざりつれば、いぶせく候いつるに、かたがたの物と申し、御つかいと申し、よろこび入って候。またまぼりまいらせ候。
 所領の間の御事は、上よりの御文ならびに御消息引き合わせて見候い畢わんぬ。このことは、御文なきさきにすいして候。
 上には最大事とおぼしめされて候えども、御きんずの人々のざんそうにて「あまりに所領をきらい、上をかろしめたてまつり候。じゅうおうの人こそおおく候に、かくまで候えば、しばらく御恩をばおさえさせ給うべくや候らん」と申しぬらんとすいして候なり。それにつけては御心えあるべし。御用意あるべし。
 我が身と申し、おや・るいしんと申し、かたがた御内に不便といわれまいらせて候大恩の主なる上、すぎにし日蓮が御かんきの時、日本一同ににくむことなれば、弟子等もあるいは所領をおおかたよりめされしかば、また方々の人々もあるいは御内の内をいだし、あるいは所領をおいなんどせしに、その御内になに事もなかりしは、御身にはゆゆしき大恩と見え候。このうえは、たとい一分の御