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め給え。ただ女房と酒うち飲んで、なにの御不足あるべき。他人のひるの御さかもり、おこたるべからず。酒を離れてねらうひま有るべからず。返す返す。恐々謹言。
九月二十六日 日蓮 花押
左衛門尉殿御返事
(198)
四条金吾殿女房御返事
文永12年(ʼ75)1月27日 54歳 日眼女
詮ずるところ、日本国の一切衆生の目をぬき神をまどわかす邪法、真言師にはすぎず。これはしばらくこれを置く。
十喩は一切経と法華経との勝劣を説かせ給うと見えたれども、仏の御心はさには候わず。一切経の行者と法華経の行者とをならべて、法華経の行者は日月等のごとし、諸経の行者は衆星・灯炬のごとしと申すことを詮と思しめされて候。なにをもってこれをしるとならば、第八の譬えの下に一の最大事の文あり。いわゆる、この経文に云わく「有能受持是経典者、亦復如是、於一切衆生中、亦為第一(能くこの経典を受持することあらん者もまたかくのごとく、一切衆生の中において、またこれ第一なり)」等云々。この
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(197)主君耳入此法門免与同罪事(与同罪を免るるの事) | 文永11年(’74)9月26日 | 53歳 | 四条金吾 |
(198)四条金吾殿女房御返事 | 文永12年(’75)1月27日 | 54歳 | 日眼女 |