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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

なり給う人々、殊に今月十二日の妙法聖霊は法華経の行者なり、日蓮が檀那なり、いかでか餓鬼道におち給うべきや、定めて釈迦・多宝仏・十方の諸仏の御宝前にましまさん。「これこそ四条金吾殿の母よ母よ」と、同心に頭をなで、悦びほめ給うらめ。「あわれ、いみじき子を我はもちたり」と釈迦仏とかたらせ給うらん。
 法華経に云わく「もし善男子・善女人有って、妙法華経の提婆達多品を聞いて、浄心に信敬して、疑惑を生ぜずんば、地獄・餓鬼・畜生に堕ちずして、十方の仏前に生ぜん。生ずるところの処にて、常にこの経を聞かん。もし人天の中に生ぜば、勝妙の楽を受け、もし仏前に在らば、蓮華に化生せん」と云々。この経文に「善女人」と見えたり。妙法聖霊のことにあらずんば誰がことにやあらん。
 また云わく「この経は持ち難し。もししばらくも持たば、我は即ち歓喜す。諸仏もまたしかなり。かくのごときの人は、諸仏の歎めたもうところなり」云々。日蓮讃歎したてまつることはもののかずならず。「諸仏の歎めたもうところなり」と見えたり。あらたのもしや、あらたのもしやと、信心をふかくとり給うべし、信心をふかくとり給うべし。南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。恐々謹言。
  七月十二日    日蓮 花押
 四条金吾殿御返事