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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(168)

曽谷二郎入道殿御返事

 弘安4年(ʼ81)閏7月1日 60歳 曽谷教信

    日蓮
 去ぬる七月十九日の消息、同三十日到来す。
 世間のことは、しばらくこれを置く。専ら仏法に逆らうこと、法華経の第二に云わく「その人は命終して、阿鼻獄に入らん」等云々。
 問うて云わく、「その人」とは、何らの人を指すや。
 答えて云わく、次上に云わく「ただ我一人のみ、能く救護をなす。また教詔すといえども、信受せず」。また云わく「もし人信ぜずして」。また云わく「あるいはまた顰蹙して」。また云わく「経を読誦し書持することあらん者を見て、軽賤憎嫉して、結恨を懐かん」。また第五に云わく「疑いを生じて信ぜずんば、即ち当に悪道に堕つべし」。第八に云わく「もし人有ってこれを軽毀して『汝は狂人なるのみ。空しくこの行を作して、終に獲るところなからん』と言わば」等云々。
 「その人」とは、これらの人々を指すなり。彼の震旦国の天台大師は、南北の十師等を指すなり。この日本国の伝教大師は、六宗の人々と定めたるなり。