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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

謗との三人の住処なり。今、法華経の末代の行者を戯論にも罵詈・誹謗せん人々はおつべしと説き給える文なり。
 法華経の第四の法師品に云わく「人有って仏道を求めて、一劫の中において乃至持経者を歎美せば、その福はまた彼に過ぎん」等云々。妙楽大師云わく「もし悩乱する者は頭七分に破れ、供養することあらん者は福十号に過ぐ」等云々。
 夫れ、人中には転輪聖王第一なり。この輪王出現し給うべき前相として、大海の中に優曇華と申す大木生いて、花さき実なる。金輪王出現して、四天の山海を平らかになす。大地は綿のごとくやわらかに、大海は甘露のごとくあまく、大山は金山、草木は七宝なり。この輪王、須臾の間に四天下をめぐる。されば、天も守護し、鬼神も来ってつかえ、竜王も時に随って雨をふらす。劣夫なんども、これに従い奉れば、須臾に四天下をめぐる。これひとえに転輪王の十善の感得せる大果報なり。
 毘沙門等の四大天王は、またこれには似るべくもなき四天下の自在の大王なり。帝釈は忉利天の主、第六天の魔王は欲界の頂に居して三界を領す。これは、上品の十善戒、無遮の大善の所感なり。大梵天王は三界の天尊、色界の頂に居して魔王・帝釈をしたがえ、三千大千界を手ににぎる。有漏の禅定を修行せる上に、慈・悲・喜・捨の四無量心を修行せる人なり。
 声聞と申して、舎利弗・迦葉等は、二百五十戒・無漏の禅定の上に、苦・空・無常・無我の観をこらし、三界の見思を断じ尽くし、水火に自在なり。故に梵王と帝釈とを眷属とせり。
 縁覚は声聞に似るべくもなき人なり。仏と出世をあらそう人なり。昔猟師ありき。飢えたる世に、