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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

 経に云わく「『我が娑婆世界に自ずから六万恒河沙等の菩薩摩訶薩有り、一々の菩薩に、各六万恒河沙の眷属有り。この諸人等は、能く我滅して後において、護持・読誦し、広くこの経を説かん』と。仏これを説きたもう時、娑婆世界の三千大千の国土は、地皆震裂して、その中より無量千万億の菩薩摩訶薩有って、同時に涌出せり乃至この菩薩衆の中に、四導師有り。一に上行と名づけ、二に無辺行と名づけ、三に浄行と名づけ、四に安立行と名づく。その衆の中において、最もこれ上首・唱導の師なり」等云々。天台云わく「これ我が弟子、応に我が法を弘むべし」云々。妙楽云わく「子、父の法を弘む」云々。道暹云わく「付嘱とは、この経をば、ただ下方涌出の菩薩のみに付す。何をもっての故にしかる。法これ久成の法なるに由るが故に、久成の人に付す」等云々。
 これらの大菩薩、末法の衆生を利益したもうこと、なお魚の水に練れ鳥の天に自在なるがごとし。濁悪の衆生、この大士に遇って仏種を殖うること、例せば、水精の月に向かって水を生じ、孔雀の雷の声を聞いて懐妊するがごとし。天台云わく「なお百川の応須に海に潮ぐべきがごとく、縁に牽かれて応生すること、またかくのごとし」云々。
 慧日大聖尊、仏眼をもって兼ねてこれを鑑みたもう故に、諸の大聖を捨棄し、この四聖を召し出だして要法を伝うるなり。末法の弘通を定むるなり。
 問うて曰わく、要法の経文いかん。
 答えて曰わく、口伝をもってこれを伝う。
 釈尊、しかる後、正像二千年の衆生のために宝塔より出でて虚空に住立し、右の手をもって文殊・