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等云々。法華経の持者は教主釈尊の御子なれば、いかでか梵天・帝釈・日月・衆星も昼夜朝暮に守らせ給わざるべきや。厄の年、災難を払わん秘法には、法華経に過ぎず。たのもしきかな、たのもしきかな。
さては、鎌倉に候いし時は細々申し承り候いしかども、今は遠国に居住候によって、面謁を期すること、さらになし。されば、心中に含みたることも、使者・玉章にあらざれば、申すに及ばず。歎かし、歎かし。
当年の大厄をば、日蓮に任せ給え。釈迦・多宝・十方分身の諸仏の法華経の御約束の実・不実は、これにて量るべきなり。またまた申すべく候。
弘安元年戊寅四月二十三日 日蓮 花押
太田左衛門尉殿御返事
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(155)太田左衛門尉御返事 | 弘安元年(’78)4月23日 | 57歳 | 大田乗明 |