1352ページ
候なり。銭四貫をもちて一閻浮提第一の法華堂造りたりと、霊山浄土に御参り候わん時は申しあげさせ給うべし。恐々謹言。
十月二十二日 日蓮 花押
進上 富城入道殿御返事
(148)
富木殿御返事(平癒祈願の事)
弘安4年(ʼ81)11月29日 60歳 富木常忍
鵝目一結、天台大師の御宝前を荘厳し候い了わんぬ。
経に云わく「法華は最も第一なり」。また云わく「能くこの経典を受持することあらん者もまたかくのごとく、一切衆生の中において、またこれ第一なり」。また云わく「その福はまた彼に過ぎん」。妙楽云わく「もし悩乱する者は頭七分に破れ、供養することあらん者は福十号に過ぐ」。伝教大師も「讃むる者は福を安明に積み、謗る者は罪を無間に開く」等云々。記の十に云わく「方便の極位に居する菩薩すら、なお第五十人に及ばず」等云々。華厳経の法慧・功徳林、大日経の金剛薩埵等、なお法華経の博地に及ばず。いかにいわんや、その宗の元祖等、法蔵・善無畏等においてをや。これは、
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
---|---|---|---|
(147)富城入道殿御返事(弘安の役の事) | 弘安4年(’81)10月22日 | 60歳 | 富木常忍 |
(148)富木殿御返事(平癒祈願の事) | 弘安4年(’81)11月29日 | 60歳 | 富木常忍 |