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しばらくこれを置く。
尼ごぜんの御所労の御事、我が身一身の上とおもい候えば、昼夜に天に申し候なり。「この尼ごぜんは、法華経の行者をやしなうこと、灯に油をそえ、木の根に土をかさぬるがごとし。願わくは、日月天、その命にかわり給え」と申し候なり。また、おもいわするることもやと、いよ房に申しつけて候ぞ。たのもしとおぼしめせ。恐々謹言。
十一月二十九日 日蓮 花押
富木殿御返事
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(148)富木殿御返事(平癒祈願の事) | 弘安4年(’81)11月29日 | 60歳 | 富木常忍 |