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旬のその身に入り替わって、人をして自身ともに無間大城に堕つべきにて候。つたなし、つたなし。
この法門は、年来貴辺に申し含めたるように人々にも披露あるべきものなり。
総じて、日蓮が弟子と云って法華経を修行せん人々は、日蓮がごとくにし候え。さだにも候わば、釈迦・多宝・十方の分身・十羅刹も御守り候べし。それさえなお、人々の御心中は量りがたし。
一、日行房死去のこと、不便に候。これにて法華経の文読み進らせて、南無妙法蓮華経と唱え進らせ、「願わくは日行を、釈迦・多宝・十方の諸仏、霊山へ迎え取らせ給え」と申し上げ候いぬ。
身の所労いまだきらきらしからず候あいだ、省略せしめ候。またまた申すべく候。恐々謹言。
弘安二年五月十七日 日蓮 花押
富木殿御返事
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(141)四菩薩造立抄 | 弘安2年(’79)5月17日 | 58歳 | 富木常忍 |