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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(137)

富木殿御書(止暇断眠御書)

 建治3年(ʼ77)8月23日 56歳 富木常忍

 妙法蓮華経の第二に云わく「もし人信ぜずして、この経を毀謗せば、経を読誦し書持することあらん者を見て、軽賤憎嫉して、結恨を懐かん。その人は命終して、阿鼻獄に入らん乃至かくのごとく展転して、無数劫に至らん」。第七に云わく「千劫、阿鼻地獄においてす」。第三に云わく「三千塵点」。第六に云わく「五百塵点劫」等云々。涅槃経に云わく「悪象に殺されては三悪に至らず、悪友に殺されては必ず三悪に至る」等云々。
 堅慧菩薩、宝性論に云わく「愚にして正法を信ぜず、邪見および憍慢、過去の謗法の障りあり。不了義に執著して供養・恭敬に著し、ただ邪法のみを見て善知識を遠離して、謗法の者に親近し、小乗の法に楽著す。かくのごとき等の衆生は、大乗を信ぜず。故に諸仏の法を謗ず。智者は応に怨家・蛇・火・毒・因陀羅の霹靂・刀杖・諸の悪獣・虎狼・師子等を畏るべからず。彼はただ能く命を断つのみにして、人をして畏るべき阿鼻獄に入らしむること能わず。応に畏るべきは深法を謗ずると、および謗法の知識となり。決定して人をして畏るべき阿鼻獄に入らしむ。悪知識に近づいて、悪心にして仏の血を出だし、および父母を殺害し、諸の聖人の命を断ち、和合僧を破壊し、および諸の善根を断