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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

の五字、これを残したもう。詮ずるところ、一には、仏、授与したまわざるが故に、二には、時と機といまだ熟せざるが故なり。今、既に時来れり。四菩薩出現したまわんか。日蓮、このことまずこれを知りぬ。西王母の先相には青鳥、客人の来相には鳱鵲、これなり。各々我が弟子たらん者は深くこの由を存ぜよ。たとい身命に及ぶとも退転することなかれ。
  富木、三郎左衛門尉、河野辺等、大和阿闍梨等、殿原・御房たち、各々互いに読み聞かせまいらせさせ給え。かかる濁世には、互いにつねにいいあわせて、ひまもなく後世ねがわせ給い候え。

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富木殿御書(身延入山の事)

 文永11年(ʼ74)5月17日 53歳 富木常忍

 十二日さかわ、十三日たけのした、十四日くるまがえし、十五日おおみや、十六日なんぶ、十七日このところ。いまださだまらずといえども、たいしは、この山中、心中に叶って候えば、しばらくは候わんずらん。結句は一人になって日本国に流浪すべきみにて候。またたちとどまるみならば、げんざんに入り候べし。恐々謹言。
  十七日    日蓮 花押