『日蓮大聖人御書全集　新版』全文検索

　法華経に云わく「諸の無智の人の、悪口・罵詈等するもの有らん」云々。法滅尽経に云わく「吾般泥洹して後、五逆濁世に魔道興盛し、魔は沙門と作って吾が道を壊乱せん○悪人転た多くして海中の沙のごとし。劫尽きんと欲せん時、日月転た短く、善者はなはだ少なくして、もしは一、もしは二人ならん」等云々。また云わく「衆魔の比丘、命終の後、精神は当に無択地獄に堕つべし」等云々。今、道隆が一党、良観が一党、聖一が一党、日本国の一切の四衆等は、この経文に当たるなり。
　法華経に云わく「たとい劫焼に、乾ける草を担い負って、中に入って焼けざらんも、またいまだ難しとなさず。我滅度して後に、もしこの経を持って、一人のためにも説かば、これは則ち難しとなす」等云々。日蓮はこの経文に当たれり。
　「諸の無智の人の、悪口・罵詈等し、および刀杖を加うる者有らん」等云々。仏陀、記して云わく「後の五百歳に法華経の行者有って、諸の無智の者のために必ず悪口・罵詈、刀杖・瓦石、流罪・死罪せられん」等云々。日蓮無くんば、釈迦・多宝・十方の諸仏の未来記は、当に大妄語なるべきなり。
　疑って云わく、汝当世の諸人に勝るることは一分しかるべし。真言・華厳・三論・法相等の元祖に勝るとは、あに慢過慢の者にあらずや。過人法とはこれなり。汝、必ず無間大城に堕つべし。故に首楞厳経に説いて云わく「譬えば、窮人みだりに帝王と号して、自ら誅滅を取るがごとし。いわんやまた、法王いかんぞ、みだりに窃まん。因地直からざれば、果紆曲を招かん」等云々。涅槃経に云わく「いかなる比丘か過人法に堕する○いまだ四沙門果を得ざるに、いかんぞ当に諸の世間の人をして我はすでに得たりと謂わしむべき」等云々。