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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

いかにいおうや、彼の人は法華経を信じたりしかば、おやをみちびく身とぞなられて候らん。
 法華経を信ずる人は、かまえてかまえて法華経のかたきをおそれさせ給え。念仏者と持斎と真言師と、一切南無妙法蓮華経と申さざらん者をば、いかに法華経をよむとも法華経のかたきとしろしめすべし。かたきをしらねば、かたきにたぼらかされ候ぞ。
 あわれ、あわれ、げんざんに入ってくわしく申し候わばや。また、これよりそれへわたり候三位房・佐渡公等に、たびごとにこのふみをよませてきこしめすべし。また、この御文をば、明慧房にあずけさせ給うべし。なにとなく我が智慧はたらぬ者が、あるいはおこづき、あるいはこの文をさいかくとしてそしり候なり。あるいは「よも、この御房は弘法大師にはまさらじ。よも慈覚大師にはこえじ」なんど、人くらべをし候ぞ。かく申す人をば、ものしらぬ者とおぼすべし。
  建治二年太歳丙子三月 日    日蓮 花押
    甲州南部波木井郷山中