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末法弘通の要法、ただこの一段にのみこれ有るなり。これらの心を失って要法に結ばずんば、末法弘通の法には足らざるものなり。あまつさえ日蓮が本意を失うべし。日蓮が弟子檀那、別の才覚無益なり。
妙楽、釈して云わく「子、父の法を弘む。世界の益有り」。「子」とは地涌の菩薩なり、「父」とは釈尊なり、「世界」とは日本国なり、「益」とは成仏なり、「法」とは南無妙法蓮華経なり。今またもってかくのごとし。「父」とは日蓮なり、「子」とは日蓮が弟子檀那なり、「世界」とは日本国なり、「益」とは受持し成仏するなり、「法」とは上行所伝の題目なり。
御義口伝巻下
弘安元年戊寅正月一日 執筆 日興
御義口伝 終
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(095)御義口伝 |