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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(095)

御義口伝

南無妙法蓮華経
  御義口伝に云わく、「南無」とは梵語なり。ここには「帰命」と云う。人法これ有り。人とは釈尊に帰命し奉るなり。法とは法華経に帰命し奉るなり。また云わく、「帰」と云うは迹門不変真如の理に帰するなり。「命」とは本門随縁真如の智に命づくなり。「帰命」とは南無妙法蓮華経これなり。釈に云わく「随縁・不変は、一念の寂・照なり」。また「帰」とは我らが色法なり。「命」とは我らが心法なり。色心不二なるを一極と云うなり。釈に云わく「一極に帰せしむるが故に仏乗と云う」。
  また云わく、南無妙法蓮華経の「南無」とは梵語、「妙法蓮華経」は漢語なり。梵漢共時に南無妙法蓮華経と云うなり。
  また云わく、梵語には「薩達磨・芬陀梨伽・蘇多覧」と云う。ここには「妙法蓮華経」と云うなり。「薩」とは妙なり。「達磨」とは法なり。「芬陀梨伽」とは蓮華なり。「蘇多覧」とは経なり。九字は九尊の仏体なり。九界即仏界の表示なり。「妙」とは法性なり。「法」とは無明なり。無明・法性一体なるを妙法と云うなり。「蓮華」とは因果の二法なり。これまた因果一体なり。「経」とは一