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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

  詮ずるところ、釈尊も文殊も、提婆も竜女も、一つ種の妙法蓮華経の功能なれば、本来成仏なり。よって、南無妙法蓮華経と唱え奉る時は、十界同時に成仏するなり。これを妙法蓮華経の提婆達多と云うなり。十界三千、竜女なれば、無垢世界にあらずということなし。竜女が一身も本来成仏にして、南無妙法蓮華経の当体なり云々。
一、勧持品
  御義口伝に云わく、この品の姨母・耶輸の記別は、十界同時の授記なり。妙法の姨母、妙法の耶輸なるが故なり。十界の衆生の心性は、持つところの経の体なり。これ即ち勧持の流通なり。心性たる持つところの経を勧持して自行・化他に趣くなり。
  姨母・耶輸は女人の成仏なり、二万の大士は男子の流通なり。この文、陰陽一体にして南無妙法蓮華経の当体なり云々。
一、安楽行品
  御義口伝に云わく、妙法の安楽行なれば、十界三千ことごとく安楽行なり、自受用の当体なり。身・口・意・誓願ことごとく安楽行なり。蓮華の安楽行なれば、三千十界、清浄の修行なり。諸法実相なれば、安楽行にあらざることなし。本門の意は、十界の色心は本来本有として真実の安楽行なり。
  安楽行の体とは、いわゆる上行所伝の南無妙法蓮華経これなり云々。霊山浄土に安楽に行詣すべきなり云々。