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法界の塔婆にして十法界即ち塔婆なり。妙法の二仏なれば、十界三千、皆境智の二仏なり。妙法の一座には三千の心性、皆もって二尊の所座なり。妙法蓮華二仏一座なれば、不思議なり、清浄なり。
妙法蓮華の見なれば、十界の衆生、三千の群類、皆自身の塔婆を見るなり。十界不同なれども、己が身を見るは、三千具足の塔を見るなり。己心を見るは、三千具足の仏を見るなり。分身とは、父母より相続する分身の意なり。
迷う時は流転の分身なり、悟る時は果中の分身なり。さて、分身の起こるところを習うには地獄を習うなり。
かかる宝塔も妙法蓮華経の五字より外はこれ無きなり。妙法蓮華経を見れば、宝塔即ち一切衆生、一切衆生即ち南無妙法蓮華経の全体なり云々。
一、提婆品
御義口伝に云わく、この品には、釈尊の本師・提婆達多の成仏と、文殊師利教化の竜女の成仏とを説くなり。
これまた妙法蓮華経の提婆・竜女なれば、十界三千、皆、調達・竜女なり。法界の衆生の逆の辺は調達なり。法界の貪欲・瞋恚・愚癡の方はことごとく竜女なり。調達は修徳の逆罪、一切衆生は性徳の逆罪なり。一切衆生は性徳の天王如来、調達は修徳の天王如来なり。竜女は修徳の竜女、一切衆生は性徳の竜女なり。
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(095)御義口伝 |