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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

なり。五番神呪は、我らが一身なり。
  十羅刹女の呪は、妙の一字を十九句に並べたり。経文には「寧上我頭上(むしろ我が頭の上に上るとも)」の文これなり。持国天は、法の一字を九句に並べたり。経文には「四十二億」と云えり。「四」とは生老病死、「十」とは十界、「二」とは迷悟なり。持国は依報の名なり。法は十界なり。増長天は、蓮の一字を十三句に並べたり。経文には「亦皆随喜(また皆随喜す)」と云えり。「随喜」の言は仏界に約せり。広目天は、華の一字を四十三句に並べたり。経文には「於諸衆生、多所饒益(諸の衆生において、饒益するところ多し)」と云えり。毘沙門天は、経の一字を六句に並べたり。経文には「持是経者(この経を持たん者)」等の文これなり云々。

    厳王品三箇の大事
第一 「妙荘厳王」の事
  文句の十に云わく「『妙荘厳』とは、妙法の功徳もて諸根を荘厳するなり」。
  御義口伝に云わく、「妙」とは妙法の功徳なり。「諸根」とは六根なり。この妙法の功徳をもって六根を荘厳すべき名なり。詮ずるところ、「妙」とは空諦なり、「荘厳」とは仮諦なり、「王」とは中道なり。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者は、ことごとく「妙荘厳王」なり云々。
第二 「浮木孔(浮き木の孔)」の事
  御義口伝に云わく、「孔」とは、小孔・大孔の二つこれ有り。小孔とは四十余年の経教なり、大