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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

かれば、この経受持の行者は、観世音の利益より勝れたり云々。
第三 「念々勿生疑(念々に疑いを生ずることなかれ)」の事
  御義口伝に云わく、「念々」とは、一つの念は六凡なり、一つの念は四聖なり。六凡四聖の利益を施すなり。疑心を生ずることなかれ云々。
  また云わく、「念々」とは、前念・後念なり。また云わく、妙法を念ずるに、疑いを生ずべからず云々。また三世常住の「念々」なり。これによって、上の文に「是故衆生念(この故に衆生は念ず)」と。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉って、「念々勿生疑」の信心に住すべきなり。煩悩即菩提・生死即涅槃、疑いあるべからざるなり云々。
第四 二求両願の事
  御義口伝に云わく、「二求」とは、「求男(男を求む)」「求女(女を求む)」なり。「求女」とは世間の果報、「求男」とは出世の果報なり。よって、「現世安穏」は、「求女」の徳なり。「後生善処(後に善処に生ず)」は、「求男」の徳なり。「求女」は、竜女が成仏、生死即涅槃を顕すなり。「求男」は、提婆が成仏、煩悩即菩提を顕すなり。我らが即身成仏を顕すなり。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る行者は、「求男」「求女」を満足して、父母の成仏決定するなり云々。
第五 三十三身の利益の事
  御義口伝に云わく、「三十」とは、三千の法門なり。「三身」とは、三諦の法門なり云々。また云わく、「三十三身」とは、十界に三身ずつ具すれば十界には三十、本の三身を加うれば三十三身な