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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索


    神力品八箇の大事
第一 「妙法蓮華経如来神力」の事
  文句の十に云わく「『神』は不測に名づけ、『力』は幹用に名づく。不測は則ち天然の体深く、幹用は則ち転変の力大なり。この中、深法を付嘱せんがために、十種の大力を現ず。故に『神力品』と名づく」。
  御義口伝に云わく、この「妙法蓮華経」は釈尊の妙法にはあらざるなり。既にこの品の時、上行菩薩に付嘱したもう故なり。
  総じて、妙法蓮華経を上行菩薩に付嘱したもうことは、宝塔品の時、事起こり、寿量品の時、事顕れ、神力・嘱累の時、事竟わるなり。「如来」とは、上の寿量品の如来なり。「神力」とは、十種の神力なり。詮ずるところ、妙法蓮華経の五字は神と力となり。「神力」とは、上の寿量品の時の「如来秘密・神通之力」の文と同じきなり。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉るところの題目なり。この十種の神力は、在世・滅後に亘るなり。しかりといえども、十種共に滅後に限ると心得べきなり。
  また云わく、「妙法蓮華経如来」と「神」との「力」の「品」と心得べきなり云々。「如来」とは、一切衆生なり。寿量品のごとし。よって、釈にも「『如来』は上に釈し畢わんぬ」と云えり。この「神」とは、山王七社等なり。この旨これを案ずべきなり云々。