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分別功徳品三箇の大事
第一 「其有衆生、聞仏寿命長遠如是、乃至能生一念信解、所得功徳、無有限量(それ衆生有って、仏の寿命の長遠なることかくのごとくなるを聞き、乃至能く一念の信解を生ぜば、得るところの功徳は、限量有ることなけん)」の事
御義口伝に云わく、「一念信解」の「信」の一字は、一切の智慧を受得するところの因種なり。「信」の一字は、名字即の位なり。よって、「信」の一字は、最後品の無明を切る利剣なり。「信」の一字は、寿量品の理顕本を信ずるなり。「解」とは、事顕本を解するなり。この事・理の顕本を一念に信解するなり。「一念」とは、無作本有の一念なり。かくのごとく信解する人の功徳は、限量有ることあるべからざるなり。「信」のところに「解」あり、「解」のところに「信」あり。しかりといえども、「信」をもって成仏を決定するなり。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者、これなり云々。
第二 「是則能信受 如是諸人等 頂受此経典(これは則ち能く信受せん。かくのごとき諸人等は、この経典を頂受す)」の事
御義口伝に云わく、法華経を頭に頂くという明文なり。「如是諸人等」の文は、広く一切衆生に亘るなり。しかれば、三世十方の諸仏は、妙法蓮華経を頂き受けて成仏したもう。よって、上の寿量品の題目を妙法蓮華経と題して、次に如来と題したり。秘すべし云々。今、日蓮等の類い、南無
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(095)御義口伝 |