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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

の故に滅後なり、「若出」の故に在世なり。されば、「無」「死」「退」「滅」は空なり、「有」「生」「出」「在」は仮なり、「如来如実」は中道なり。「無」「死」「退」「滅」は無作の報身なり、「有」「生」「出」「在」は無作の応身なり、「如来如実」は無作の法身なり。この三身は我が一身なり。「一身即三身を名づけて『秘』となす」とは、これなり。「三身即一身を名づけて『密』となす」もこの意なり。しかれば、無作の三身の当体蓮華の仏とは、日蓮が弟子檀那等なり。南無妙法蓮華経の宝号を持ち奉るが故なり云々。
第五 「若仏久住於世、薄徳之人不種善根、貧窮下賤、貪著五欲、入於憶想妄見網中(もし仏久しく世に住せば、薄徳の人は善根を種えず、貧窮・下賤にして、五欲に貪著し、憶想・妄見の網の中に入りなん)」の事
  御義口伝に云わく、この経文は、仏世に久しく住したまわば、薄徳の人は善根を殖うべからず。しかるあいだ、「妄見網中」と説かれたり。詮ずるところ、この「薄徳」とは、在世に漏れたる衆生、今、滅後の日本国に生まれたり。いわゆる念仏・禅・真言等の謗法なり。「不種善根」とは、「善根」は題目なり。「不種」とは、いまだ持たざる者なり。「憶想」とは、「捨閉閣抛」「第三の劣」等、かくのごときの憶想なり。「妄」とは、権教、妄語の経教なり。「見」は、邪見なり。「法華最第一」の「一」を「第三」と見るが邪見なり。「網中」とは、謗法不信の家なり。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者は、かかる「妄見」の経、「網中」の家を離れたる者なり云々。
第六 「飲他毒薬、薬発悶乱、宛転于地(他の毒薬を飲み、薬発し悶乱して、地に宛転す)」の事
  御義口伝に云わく、「他」とは、念仏・禅・真言の謗法の比丘なり。「毒薬」とは権教方便なり、