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勧持品十三箇の大事
第一 「勧持」の事
御義口伝に云わく、「勧」とは化他、「持」とは自行なり。南無妙法蓮華経は、自行・化他に亘るなり。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経を勧めて持たしむるなり。
第二 「不惜身命(身命を惜しまず)」の事
御義口伝に云わく、「身」とは色法、「命」とは心法なり。事・理の不惜身命これ有り。法華の行者、田畠等を奪わるるは、理の不惜身命なり。命根を断たるるをば、事の不惜身命と云うなり。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者は、事・理共に値うなり。
第三 「心不実故(心は不実なるが故に)」の事
御義口伝に云わく、「心不実故」とは、「法華最第一」の経文を「第三」と読み、「最為其上(最もこれその上なり)」の経文を「最為其下」と読んで、法華経の一念三千を華厳・大日等にこれ有りと、法華の即身成仏を大日経に取り入るるは、これらは皆「心不実故」なり。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者は、「心実」なるべし云々。
第四 「敬順仏意(仏意に敬順す)」の事
御義口伝に云わく、法華経に順ずるは、「敬順仏意」なり。「意」とは、南無妙法蓮華経これなり。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉るは、「敬順仏意」の意なり。
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(095)御義口伝 |