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天下一同に法華経の行者と成るべきなり。「随至道場。還欲親近(随って道場に至る。還って親近せんと欲す)」これなり。
第四 「其祖転輪聖王(その祖、転輪聖王)」の事
御義口伝に云わく、本地身の仏とは、この文を習うなり。「祖」とは、法界の異名なり。これは方便品の相・性・体の三如是を、「祖」と云うなり。この三如是より外に「転輪聖王」これ無きなり。「転輪」とは、生住異滅なり。「聖王」とは、心法なり。この三如是は、三世の諸仏の父母なり。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者は、三世の諸仏の父母にして、「其祖転輪聖王」なり。金・銀・銅・鉄とは、金は生、銀は白骨にして死なり。銅は老の相、鉄は病なり。これ即ち開・示・悟・入の四仏知見なり。三世常恒に生死生死とめぐるを、「転輪聖王」と云うなり。この転輪聖王出現の時の輪宝とは、我らが吐くところの言語音声なり。この音声の輪宝とは、南無妙法蓮華経なり。ここをもって「平等大慧」とは云うなり。
第五 「十六王子」の事
御義口伝に云わく、「十」とは十界なり、「六」とは六根なり、「王」とは心王なり、「子」とは心数なり。これ即ち実相の一理の大通の子なり。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者は、「十六王子」なり。「八方に作仏す」とは、我らが八苦の煩悩即菩提と開くなり云々。
第六 「即滅化城(即ち化城を滅す)」の事
御義口伝に云わく、我らが滅する当体は「化城」なり。この滅を滅と見れば、「化城」なり。不
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(095)御義口伝 |