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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

かんということなり。「因縁」とは、「因」は種なり、「縁」は昔に帰る義なり。「もとづく」と訓ぜり。大通結縁の下種にもとづくということを、因縁と云うなり。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者は、過去の因にもとづきたり。ここをもって、妙楽大師云わく「故に知んぬ、末代の一時に聞くことを得て、聞き已わって信を生ずることは、事、すべからく宿種なるべし」。「宿」とは、大通の往時なり。「種」とは、下種の南無妙法蓮華経なり。この下種にもとづくを、因縁と云うなり。本門の意は、五百塵点の下種にもとづくべきなり。真実妙法の因に縁づくを、成仏と云うなり。

    化城喩品七箇の大事
第一 「化城」の事
  御義口伝に云わく、「化」とは色法なり、「城」とは心法なり。この色心の二法を無常と説くは、権教の心なり。法華経の意は、無常を常住と説くなり。化城即宝処なり。詮ずるところ、今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者、色心を妙法なりと開くを、化城即宝処と云うなり。十界は皆化城にして、十界は各々宝処なり。
  「化城」は九界なり、「宝処」は仏界なり。化城を去って宝処に至ると云うは、五百由旬の間なり。この五百由旬とは、見思・塵沙・無明なり。この煩悩の五百由旬を妙法の五字と開くを、化城即宝処と云うなり。化城即宝処とは、即の一字は南無妙法蓮華経なり。念々の化城、念々の宝処なり。