SOKAnetトップ

『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

せられん』と」云々。
 文句の八に云わく「初めに一行は通じて邪人を明かす。即ち俗衆なり。次に一行は道門増上慢の者を明かす。三に七行は僭聖増上慢の者を明かす。故に、この三つの中、初めは忍ぶべし。次は前に過ぐ。第三は最も甚だし」云々。
 涌出品に云わく「その時、他方の国土の諸の来れる菩薩摩訶薩の八恒河沙の数に過ぎたるは、大衆の中において起立し、合掌し礼を作して、仏に白して言さく『世尊よ。もし我らに仏滅して後において、この娑婆世界に在って、勤加精進して、この経典を護持・読誦・書写・供養せんことを聴したまわば、当にこの土において広くこれを説きたてまつるべし』と。その時、仏は諸の菩薩摩訶薩衆に告げたまわく『止みね。善男子よ。汝等がこの経を護持せんことを須いじ。所以はいかん。我が娑婆世界に自ずから六万恒河沙等の菩薩摩訶薩有り、一々の菩薩に、各六万恒河沙の眷属有り。この諸人等は、能く我滅して後において、護持・読誦し、広くこの経を説かん』と」云々〈五の巻畢わんぬ〉。
 嘱累品に云わく「その時、釈迦牟尼仏は法座より起って、大神力を現じたもう。右の手をもって、無量の菩薩摩訶薩の頂を摩でて、この言を作したまわく『我は無量百千万億阿僧祇劫において、この得難き阿耨多羅三藐三菩提の法を修習し、今もって汝等に付嘱す。汝等は応当に一心にこの法を流布して、広く増益せしむべし』と。かくのごとく三たび諸の菩薩摩訶薩の頂を摩でて、この言を作したまわく『我は無量百千万億阿僧祇劫において、この得難き阿耨多羅三藐三菩提の法を修習し、今もって汝等に付嘱す。汝等は当に受持・読誦し、広くこの法を宣べて、一切衆生をしてあまねく聞知